大法寺について

一乗山観音院大法寺は、比叡山延暦寺を総本山とする天台宗のお寺であります。飛鳥時代に開山されて以来1400年の歴史を誇り、信州でも有数の古刹となっております。国宝に指定される三重塔のほか、日本最古の鯱(しゃちほこ)、東信地方最古の仏だある十一面観音菩薩様等の貴重な文化財が残り、永く信仰と文化の中心となっております。また信州の山里の周辺風景は、かつて白洲正子氏が絶賛した風光明媚な地でもあります。

大法寺 国宝 三重の塔

信州でも有数の古刹

大法寺はかつて大宝寺と書かれ、飛鳥時代の大宝年間(701年~704年)に、藤原鎌足の子の定恵によって開山されました。近くを通る東山道の浦野駅の駅寺として建てられたのが、始まりとされております。万葉集においても大法寺似関係した歌が納められております。

 平安初期の大同年間(806年~810年)に、坂上田村麻呂の祈願から天台宗座主・義真により再興が図られました。室町時代から江戸時代までは、戸隠山観修院の末寺となっておりました。

奈良時代から信仰が根付く地

 大法寺がある長野県青木村当郷の地は、「日本霊異記」に書かれている他田舎人蝦夷(おさだのとねりえみし)が住んだ信濃国小県郡跡目郷であったとされており、奈良時代から仏教信仰が根付いていた地であります。またこの地は、「政治要略」や「延喜式」では塩原牧、「吾妻鏡」では浦野庄と記されており、古くから周辺牧場関係者や地頭の崇拝を受けてまいりました。